株式会社山本不動産鑑定・山本司法書士事務所 > 記事コンテンツ > 不動産鑑定とは?査定との違い
不動産を売買や相続、融資の担保に使う際は、その価格を知る必要があります。
このとき使われるのが、「不動産鑑定」や「査定」と呼ばれる手法です。
今回は、不動産鑑定とは何か、査定との違いもふまえて解説します。
まずは、不動産鑑定の基礎知識を確認していきましょう。
不動産鑑定とは、不動産の適正な価格を、専門的な知識・手続きを用いて評価する行為です。
不動産の種類や立地、周辺環境、経済動向など多くの要素を分析して価格を判定します。
不動産の価値が問題となる場面で、客観的な根拠を持つ価格資料として使われます。
不動産鑑定を行うには、不動産鑑定士という国家資格が必要です。
鑑定士は「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づき、専門性の高い調査・分析・評価を行います。
つまり、公的な証明力を持っているのが大きな特徴です。
次に、査定の基礎知識を解説します。
査定とは、不動産会社などが売却を前提としておおよその価格を見積もる行為です。
販売活動や広告戦略の一環として、無料で行われるケースがよく見られます。
机上査定や訪問査定といった手法があり、短期間で価格が提示されるのが特徴です。
査定は市場価格を基準にしていますが、法律上の根拠はなく、担当者による経験・感覚が反映されるケースもあります。
そのため、実際の取引価格と差がある場合も見受けられます。
不動産鑑定と査定は、似たような目的を持っていますが、以下の点で異なります。
【実施者の資格】
【評価の根拠】
【利用目的】
【費用の有無】
基本的な違いとして、上記の4つを押さえるとよいでしょう。
不動産の価値をめぐって争いが起きやすい場面では、鑑定を選ぶほうが適切です。
裁判所や税務署、金融機関に対して提出する資料としても通用します。
一方で、売却を検討している段階や市場相場の把握が目的であれば、査定も有用です。
複数の不動産会社に依頼して、価格の幅や傾向を確認する手段になります。
不動産鑑定と査定は、どちらも価格を知る手段ですが、性格や目的に明確な違いがあります。
法的根拠を持つ信頼性の高い価格情報を求める場面では、不動産鑑定士による評価が重要です。
一方で、売却活動や初期の相場調査であれば、査定でも十分に活用できます。
不動産鑑定士の資格を持った司法書士など、複数の専門的な資格を持ったひともいるため、手続きを簡略化したい場合は相談してみるのがおすすめです。