株式会社山本不動産鑑定・山本司法書士事務所

遺言書による付言事項の重要性

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遺言の付言事項とは、被相続人がどうしても伝えておきたいことを補足的に注記するというものです。ただし、付言事項に法的な効力はありません。遺言の本文とは別に、遺言書の末尾に、自分の思いを添えることが認められています。このことから、付言事項は被相続人の最後のラブレターと呼ばれています。付言事項には、被相続人の生前の思いや意思が込められているので、相続トラブルを防止する効果が期待されています。たとえば、被相続人が、相続人のうち特定の者に相続分を超える遺贈をした場合、付言事項にその理由や心情が記載されてあれば、他の相続人による遺留分減殺請求が回避できるかもしれません。また、相続人同士の仲が悪く、遺産分割でもめることが事前に想定できる場合、被相続人が「どうかみんな仲良くして欲しい」旨を記載しておけば、相 続人はその意思を尊重して、遺産分割の争いが回避できるかもしれません。このように、付言事項は法的効力はありませんが、相続において非常に重要な役割を持ちます。